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ピンソール(渓流シューズ滑り止め) インプレッション2             2005/04/25

 昨年(2004年)、岩井又沢へのアプローチから使い出したピンソール。その性能の良さに、その後の山釣りには毎回使用してきた。テン場まで3時間程度の渓から、八久和上流部への10時間近い山越えルートまで、かなりハードに使い込んだと思う。そして、どのルートにおいてもピンソールは私の信頼を裏切ることなく、ガッチリと足元をサポートしてくれた。

 今年(2005年)の2月を過ぎた頃、製作者の竹濱さんから一通のメールが届いた。
「昨年1年間使用してきたピンソールを整備しておきたいのと、高野さんのご使用のものからかなり改良いたしましたので、その部品の付け替えを実施したいと思っております。」
 ありがたいことである。メールを貰ってから竹濱さんの元に送るまで時間が経ってしまったが、シーズンインも近いことだし、そろそろ送らないとと思い出し整備してもらうことにした。

 1シーズン使ってみて、ほとんど問題は無かったのだが、たった一つだけ壊れ始めた箇所があった。踵のプレートと足首のベルトを止めている金具である。この初期型の金具は溶接で止めてある箇所があって、その溶接が取れてしまった。しかし、使用には全く問題なく特に取り替えなくても大丈夫そうだった。
 私の買った初期型の次のタイプでは、ここがDリングの金具になり、溶接箇所は無くなって頑丈になっていた。
 改良点とはおそらくその箇所であろうと想像していた。ここがどのような改良を受けて返ってくるのか楽しみだ。

去年市販された改良タイプの金具


 発送した翌日には「終わりましたので、送ります」というメールが届き、その翌日にはもう手元にピンソールが着いた。あまりにすばやい対応で、かえって恐縮してしまう。

 では、どう改良されたのか写真でご覧いただきたい。


 今度の金具は太さも増し、溶接箇所も無く壊れる心配は皆無である。これは試作品だそうだから、いわばモニターの役割もあるのだろう。実際に山で使ってみてその結果は後日お伝えする予定である。

 さて、1シーズン使ったピンソールが、どのような状態なのかも見ていただきたい。


 この写真はオーバーホールから上がってきた後のもので、踵の金具が交換されているが、それ以外は昨年のままである。新品時には光り輝いていたステンレス製のプレートも、度重なる酷使に傷だらけになり、輝きは失われている。チェーンも同様である。しかし、亀裂が入ったりチェーンやベルトが切れたりといったことは一切無い。

 では、常に地面に突き刺さるピンはどうだろうか?

 こちらはさすがに先が磨り減り、丸くなっている。新品時には先が紡錘形をしてもっと尖っていた。しかし丸くなったとはいえピンは十分な長さを残しており、使用に関しては全く問題が無いと思われる。
 昨年は岩井又、胆沢川水系の渓、末沢川、八久和山越えと約36時間は使用したので、十分すぎる耐久性だ。平均時速2km/hとしても18kmも歩いたことになる。使用状況はほとんどが登山道や杣道(つまり土の道)であるが、渓に入ってからもテストの意味合いも兼ねて岩の上でもそのままガンガン歩いていたのでピンの減りも早かったのだろう。通常はアプローチの道が終わり渓に入れば外すものなので、さらに磨耗は少ないと思われる。

 同様に踵のプレートのピンも磨り減ってはいるが、使用には問題ない。

 このように1シーズン数回の使用では全く問題が無いほど頑丈に作られている。唯一の破損箇所の金具も新型では改良され、丈夫になっている。

 今年1シーズン使って、改良点がどうなのか、また2シーズン目の性能はどうなのかをレポートしていきたい。

 さて、実は今回もう一つモニターを頼まれたものがある。新製品のピンソール・ミニである。
 これは、ピンソールのつま先部のプレートを無くし、踵部のみを使ったものと考えれば良いだろう。ピンソールを使うほどではないが、滑り止めがあったほうが安心という場面で使用するのが良さそうだ。

 踵部だけなので、装着もより簡単になり、小型軽量化も図られていて収納もコンパクトだ。

 こちらは登山靴とウェーディングシューズの両方に適合するので、より使う場面も増えそうだ。こちらも今後レポートしていくつもりだ。



製造・販売
株式会社 昇栄
http://www.syoei-pro.co.jp/

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