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  長野県 鹿曲川
  2015/02/21


  斉田、高野







Text & Photo : 高野

みなさんはスノーシューをご存じだろうか。いわゆる西洋かんじきである。
去年の2月、関東地方も大雪にみまわれたのを覚えていると思う。
そのときにちょうどネット通販でスノーシューを買ってみた。
それを持って東秩父あたりの低山へとスノートレッキングに行ったら、思いのほか楽しくてハマってしまった。
去年は埼玉でも上信越の雪国かと思うような、すごい積雪だった。
そんな所でもスノーシューがあると楽しく歩くことができ、さらには登山道も登れて山頂にも立てたのである。
いつも歩いてる山とは思えないほど違った景色を見て、感動したのを覚えている。

そんなこともあって、今年もぜひどこかの山に行こうと思っていたのだ。
その話を斉田さんに振ったら
「スノーシュー履いて渓に入れば、楽しそうだよね。」
「じゃあ、竿も持って行きますか!」
てな感じで話がまとまったことから、2月の解禁直後の釣行となったのである。

釣りに行くのは決まったが、この時期は十数年ぶり。どこならいいかと情報収集。
普通なら雪が無くて釣りやすい所となるのだが、今回はスノートレッキングがメイン。なのでそれなりに雪がないとダメなのだ。
それもちょっとの雪じゃダメで、歩くとズボっと膝くらいまで潜るほどの雪。
佐久辺りなら雪があるだろうと、鹿曲川に行くことにした。

本気の釣りじゃないから、朝はゆっくり。6時に斉田さんに拾ってもらい関越道に乗る。
いきなり事故渋滞で川越インターから乗れずに、坂戸西インターへと向かって、ちょっとロスした。
乗ってからはスイスイ走って佐久に到着。鹿曲川の上流へと向かう。
道沿いの空き地には釣り師らしき車が駐車してある。解禁後初の土曜日だもん、そりゃ釣り人も多いよね。

しかし、思ったよりも雪が少ない。スノーシューなんて全く必要ないレベル・・・。
それでも上流に向かうと一気に積雪量が増え、いい感じになってきた。
適当な所に車を止めて、スノーシューを履き歩きだした。
誰も足跡を付けていない雪原に第一歩を印す。これがまたなんとも気持ちがいいのである。
川はどこかと地図を見ながら歩いて行く。
見上げれば、今日は雲一つない青空。落葉した樹木が青空めがけて突き上げている。
素晴らしい日だ!

スノーシューを履いて林道を行く。
こんなところでも新鮮で楽しかったりする。


いよいよ渓へと降りる。
魚はいるかな。

























  これがスノーシュー。
  ネット通販で買ったもので、
  6,000円くらいだった。

森を抜けて渓に降り立つ。しかし、そこには今日付けたと思われる人の足跡が・・・。
どうやら先行者がいるようである。
まあ、この時期だし源流じゃないから、仕方ないか。

気を取り直して斉田さんと2人で竿を出す。
斉田さんは下のトロ場、自分は小さな落ち込み下の淵を狙った。
去年の最後に柳又で使ったままの仕掛け(竿に付けっ放し(^_^;))にブドウ虫を付けて、第一投。
・・・アタリ無し。
流れを変えて・・・もダメかぁ。
先に抜かれちゃってるかな。ここだったらいると思うんだけど。
なんてことを考えながら、流れの筋を変えて仕掛けを投入。
すると、目印が止まった。
お、これはと軽く聞きアワセすると、クククッという懐かしい手ごたえが。
軽くアワセて抜きあげると、結構いい型のイワナが釣れた!

「斉田さ〜ん、釣れたよ!」
「お、いい型じゃん。大きいね!」
雪の上にあげて測ってみると、9寸あった。
ヒレピンの美しい天然物だ。
今まで何度か雪の中で釣ったけど、9寸が出たことは無かったなぁ。

まさか釣れると思ってなかった。解禁後だし、先行者もいるみたいし、半ばあきらめていたんだけど、嬉しい誤算だった。

今度は斉田さんがすぐ上の落ち込みを探ったのだが、不発だった。

さ、また上に行ってみますか。

素晴らしい青空だ。
思いがけず釣れちゃいました。
それも9寸の良型! やった〜!

いい顔してるね。

尾ビレもピンとして、美しい!

上流を狙う斉田さん。
斉田さんの立っている下の淵で9寸が出た。

残念ながらここも不発。
対岸に先行者の足跡があるのが見える。



林道に上がると、真新しい足跡が下流へと向かってついていた。
どうやら先行者が釣り終えて戻ったようだ。
いったいどこまで行ったのだろうか。
足跡が消える所まで歩くことにした。

時間はもうすぐお昼である。
平らな所でシートを広げて昼飯にした。
風も無く、春のような日差しがポカポカと暖かかった。
ホントに良い日に釣りに来たもんだ。
これが曇り空や、下手して雪でも降っていたら、とっくに引きあげていただろう。
さて、先行者の足跡が消えるところまで辿ってみようか。

先行者の足跡を追って、林道を行く。


























腹が減ったので、雪の上で昼飯に。
風も無く、春のような日差しで気持ちがいい。


 


ふたたびスノーシューを履いて歩きだすと、少し行ったところで足跡が渓から上がってきていた。
どうやら、ここまでらしい。
そこで自分たちも森を抜け渓に降りてみた。

しかし、その上流は流れも細くなり、スノーシューで歩くには岩が多すぎた。
流れに竿を出してみたが、魚の反応も無くむなしく流れるのみ。
「今日はもう、おしまいにしますか。」
どちらともなくそんな感じになって、竿を仕舞った。

スノーシューで釣り、楽しいけど渓を選ぶ遊びだった。
もっと豪雪で所々に開いてる穴に竿を出すくらいの渓でないと、スノーシューで釣り上がるのは難しいかも。
このくらいの渓だと岩の上をスノーシューで伝っていくのは、ちょっと無理とわかった。
次はもっと場所を吟味して、楽しもう。

先行者が渓から上がってきたところで、自分たちも入渓。

バージンスノーに踏み入って竿を出す。
ふわふわの雪が美しい。


























  上流の渓相だとスノーシューで釣り上がる
  のは難しそうだった。

まるで粉砂糖をふりかけたかのようだ。

ここも不在か・・・。
自然の造形。
カーブミラーが埋もれている。
思ったよりも積っているようだ。


自撮りしてみる。

真っ白な浅間山、その手前に剣が峰、左に高峯山が見えた。


























鹿曲川の流れ。 
素晴らしい天気の1日だった。 

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