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  新潟県 下津川
  2013/08/24-25


  平澤(瀧友会)
  斉田、高野(渓道楽)




Text & Photo : 高野

「8月もどこか行こうよ」
「虻、いるよ」
「そっか、でも行きたいよね」
といつものように、いつものメンバーと相談して決まった下津川。
虻の不安はあるが、まあなんとかなるでしょ。

しかし、釣行日が近づくにつれて、だんだんと天気が怪しくなってきた。
一応は弱雨の予報だが、山の天気は気まぐれだ。
行ってみないとわからない・・・。

前回の三峰川はまさかのボウズに終わったから、今度は釣りたいよなぁ。

斉田さんは以前に入渓したことがある下津川。
自分は初めて。
そこそこ釣れるという話だが、入りやすい渓だからなぁ。

例によって夜中に出発して関越道で一路新潟を目指す。
今回はどうやら一番乗りできた。去年は先行者がいて入れなかったから、一安心。
あとは天気がもってくれたら。

仮眠しているとポツポツと車の屋根を叩く音。
「雨だね」
「どうする?」
「とりあえず行ってみようか」
ということで、低く垂れ込める雲の下を出発。

以前は取水堰堤まで車で行けたそうだが、今は林道が崩れたままで歩くしかない。
1時間のアルバイトを余儀なくされる。
雨降ってなきゃいいんだけどさぁ。



雲が低いというか、もうほとんど雲の中。
雨も本降りになってきたよ〜。

林道の橋から見る下津川。
ちょっと増水ぎみだが、これくらいなら問題ないなと一安心。
雨も小降りになってきた。
頼むから止んでくれ。

やっと堰堤が見えたよ。
やっぱり雨の中歩くのは嫌だね。
カッパもいくらゴアでも、汗で蒸れちゃうし。

取水堰堤で一休み。
「あの堰堤の溜まり、いそうだね」
「あ、今、イワナがジャンプしたよ!」
「マジ?! 大きかった?」
なんて話をしてるうちに、また降りだした。
それもどんどん雨脚が強くなってきた。
「うわ、なんだこれ!」
「ヤバイんじゃないの?」
今までさらさらと流れ落ちていた堰堤が、あっという間に凄いことになっちゃった。

ゴウゴウとものすごい音を立てて、まるで暴れ竜のように流れる下津川。
堰堤下のコンクリのえぐれに流れが当たって、とてつもないことに。
「たしか、ヨーロッパの川で、こんな感じのところでサーフィンしてる動画あったよね?」
「あった、あった」


今日は無理無理。 撤収〜!!

うぉ!
なんだこれ。
対岸に渡って竿でも出してたら、戻れなくなってるとこだぞ。

どひゃー!
これじゃ渓に降りて遡行するなんて絶対無理!
今日は諦めて、おとなしく戻ります。


























  帰り道の橋から。
  濁流が渦巻く下津川。

雨の中、カッパを着て往復2時間の歩きで、もう汗でムレムレ。
車に戻ってそのまま温泉に直行。
幸い近くに五十沢温泉がある。
そこで汗を流してさっぱりした3人は、ちょっと別の川をのぞいて見ることにした。

行き先は芋川。
車道がついているので、車で行き止まりまで行ってみる。

「ちょっと釣りしてみますか」
「釣れた、釣れた!」

流れのゆるいところに竿を出すと、あっという間に7寸くらいのイワナが来た。
続けて8寸!
ちょこっとやっただけなのに、3人で5尾釣れちゃった。

竿をだしたとたんに釣れた!

























平澤さんにも。

十二大明神がまつられていた。

夕方には雨も止み、青空がみえていた。
その夜は十字峡登山センターに泊まった。
利用料の1000円を料金箱に入れる。
きれいに片付けられていて、テーブルもあって快適だった。



さて明けて翌日。
朝4時にセットした目覚ましに、たたき起こされる。
眠い目をこすりながら身支度を整え、下津の車止めに向かった。
幸い今日も先行者は無し。

今日は空身で日帰りする予定だ。
水も収まって遡行は問題ない。
さて、雨後の入食いといきますかどうか。

美しい朝焼け。
今日はきっと良い天気だ!

明け方の空には月がくっきり出ていた。
























  よしよし!
  水は引いているぞ。
  間違いない!
  これは入食いだな!

昨日はものすごいことになっていた取水堰堤も、今日は一滴の水も流れていない。
























  え〜!
  渓に降りての一投目。
  いきなりの尺イワナ

リリースしたら
頭隠して尻隠さず。

いきなり尺が出ちゃったもんだから、これは期待大だよね。

昨日とは打って変わっての素晴らしい青空。
雨とともに猛暑も去って、秋の空の雰囲気だ。

2尾目の尺を求めて釣りあがるも、次が出ない。

ようやく2尾目が来た!
これも良型だ。



























  いいねぇ〜。


入渓していきなりの尺に期待は膨らんだのだが、後が続かない。
残念ながら入食いは夢だった。

「雨の後は普通は釣れるんだけどなぁ。」
「魚が走らないよな。」

どうも魚影が薄いようだ。
日帰りでも入れる距離なので、仕方がないのか。

それでも頑張って竿を出していると・・・。
























  来た来た!
  2尾目の尺イワナ。

入渓後しばらくは、あまり落差が無い流れだったのが、
ようやくいい感じのポイントが増えてきた。


そして、ようやく私の竿にもヒット!
数はまったくだが、型はいい。


いい顔してるな。

























そして、第一ゴルジュだ。
ここは小さく右岸を巻く。


























  ゴルジュ内にも竿を出すが、留守のようだ。

と抜けたところで、また斉田さんに。
今日は絶好調。

連続で釣れだして、いい感じ。
いよいよ夢のイワナ地帯に突入か?

また来たよ!
惜しい、29.5cm 泣き尺だ。

























ようやく平澤さんにもヒット。
これも9寸オーバーだ。

美しいイワナだ。

これで全員がイワナの顔を見ることができた。
どれも9寸以上の型で、良い引きをする。

しかし、思ったほどは数が出ないのは、やはり日帰り圏内だからなのだろうか。

それでもこの後の流れから数尾を抜いた。
やはり奥に行くほどアタリは増えるようだ。

しかし今日は日帰り。
あまり奥まで釣ることが出来ないのが残念だ。
この天気が昨日だったら、渓に泊まってもっと奥まで釣り上がれたのに。
あ〜あ、焚き火も出来なかったよ。

まあ、それは次の機会にとっておくことにしよう。

まるで絹のような、キラキラ輝く夏の流れ。
思ったより虻も少なく、快適だ。
夏の終わりの大雨で、虻は居なくなるのだろうか。
昨日はそこそこ飛んでいたのだが・・・。



























  平澤さんが、続けて釣り上げる。

透きとおった清冽な流れ。
リリースしたイワナが泳いでいる。

8月も終わりだというのに、まだ紫陽花が咲いていた。

























平澤さん、絶好調の3連荘。
さあ、そろそろ戻る時間かな。
ここから車までは3時間ほど掛かりそう。


ゴルジュを巻いて。
戻ったら、温泉、温泉!

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