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 埼玉県 秩父の渓
  2011/07/25



  高野(渓道楽)






Text&Photo: 高野

夏休みに入った長男の翔平。家で暇そうにしているから久しぶりに釣りに連れ出した。
場所は近場の秩父の渓。
ここは今まで数度釣行しているが、型は小さくても必ず釣れる川なのだ。
きっと今回も期待にこたえてくれるはずだ。翔平にも釣らせてあげたいし。

車で2時間も走らずに釣り場に到着。さっそく着替えて流れに降り立つ。
流れを見るといつもよりかなり水量が多い。昨夜に雨が降ったようである。
遡行するのは子供にはちょっと辛いかもしれないが、釣りの条件としては申し分ない。
期待しながら仕掛けを繋ぎ、ブドウ虫をつけて振り込んだ。

何度か流すとアタリが出た。しかし掛からない。
警戒しているのだろうか?

しばらく釣り上がるとこの区間唯一の滝がある。滝下は釜になっていて深くえぐれている。
いかにも良型が潜んでいそうな場所だ。
そっと近付いて仕掛けを投入。餌はスーっと沈んでいく。
しかし、むなしく流れるのみ。やはり源流と違って毎日プレッシャーにさらされてスレているのだろうか。
あきらめて右岸を巻いて上流に向かった。
期待の大場所だったが、アタリは無かった。

滝上はボサが茂って意外と釣りづらい場所が続く。
平水ならばもっと釣りやすいし遡行も楽なのだが、今日の状況では仕方がない。
翔平を連れてなので流れを渡るときには手を引いてやる。

やはり源流で使った1号の仕掛けが太すぎるのか?
アタリはあるのだが、どうしても鉤掛かりしてくれない。
そこで久しぶりに0.6号の仕掛けにチェンジ。
源流ばかりやっていると、これでも細糸に感じる。渓流釣りを始めた頃は0.2号なんていう糸も使っていたのに・・・。

しかし、仕掛けを変えた効果はてきめん!
すぐに美しいヤマメが釣れた。
翔平も目を輝かせている。魚釣りとか昆虫採集とか、この手の遊びは男の子にとっては極上の時間なのだろう。

そして続けて釣れたのはイワナだった。まだあどけない顔をした若い魚だ。
やはりこの渓はいい! 手軽に楽しむにはうってつけ。子供連れにはもってこいの場所だ。
小さくても美しいヤマメ。
渓流の女王の名に恥じない姿。

あどけない幼い顔のイワナ。
けっして大きくは無いが、釣れれば嬉しいものだ。


魚がいることが分かったので、ここで翔平にチェンジする。
今まで自然渓流では自力で釣ったことは無い翔平。
ましてや釣り人の多い秩父での釣りだ。そう簡単には釣れないだろうと思っていた。
ところがすぐに「おとうさん、釣れたよ!」という声。
なんとヤマメを釣ってしまった。
親としてなんだかとっても嬉しい瞬間だった。
静かに竿を出す翔平。
この写真を撮った直後にヤマメが釣れた!





















 嬉しそうな翔平。
 管理釣り場以外では、初めて
 自力で釣った。
 彼の心に、いつまでも思い出
 として残ってほしい。

その後もしばらく釣り上がり数尾の魚を釣ることができた。
時計を見るとすでにお昼を回っていた。
退渓しやすいところで道に上がり、車まで戻った。
いつもは遠征ばかりしているが、たまには近場でのんびり釣りもいいものだ。
しかも、数だけで言えば源流よりも釣れている。
それってどうなの?って気がしないでもないが、まあいっか。
ここも良さそうなポイントだ。
秩父の渓も捨てたもんじゃない。


最後に釣れた7寸イワナ


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