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新潟県 米山川、払川、和田川

  1999.06.26(土)

  
中村、高野
  天候:曇り時々晴れ



Text&Photo :高野 智 

 梅雨も半ばとなり、すっきりしない天候が続いている。久しぶりの渓流だが天候がはっきりしないので予定していた渓は諦めざるを得なくなってしまった。だが、大物を狙えるのもこの時期である。そこでどこか新しい渓を見つけようと、中村氏と二人で新潟方面に行ってみることになった。新潟と言えば魚野川水系や信濃川水系が有名だが、今回は日本海に注ぐ小河川を狙ってみることにし、関越道から北陸道に入り米山インターを目指す。

 インターを降りて米山川に入る道を探すが行き過ぎてしまい、うろうろしてしまった。なんとか道を探し当て山を登っていく。そのうち小さな渓を渡ったのだが、なんとそれが米山川であった。地図に載っているとは思えない程の細さ。おまけに酷い藪沢・・・。しかし、地図から判断して米山川に間違いない。「こんな小沢かよ〜」と文句を言っても始まらない。もしかしたら穴場かもという淡い期待を抱きながら入渓する。しか〜し、そこは岩魚の楽園ならぬ蜘蛛の楽園。いたるところに蜘蛛の巣がかかり釣り辛いことこの上ない。ここぞというポイントの上にはビッシリと何重にも蜘蛛の巣が・・・。何度振り込んでもバリヤーのようにはじかれてしまう。しかし、「だからこそ大物が潜んでいるのさ」と、物事を良いほうに考えながら釣り上がる私たち。

 見るとちょっとした深場があり、うまいことに蜘蛛の巣も無い。そこに仕掛けを振り込むとククッという岩魚のアタリ。アワセをくれて抜きあげると8寸の良型岩魚が釣れた。「こりゃ、やっぱ穴場だよ」とニンマリする二人。しかし、蜘蛛の巣は情け容赦なく立ちはだかり、どうにも釣りにならない。1尾の岩魚をバラシしたあと、ついにギブアップ。さっさと場所替えをする二人であった。

蜘蛛の巣だらけの米山川唯一の釣果

 「やっぱ、もう少し釣りやすい所があるはずだよな」と次に選んだのは谷根川。ここはダムがあるからいいだろうとズンズン行くと、ゲートがあり「この上、禁漁」の文字が・・・。「なんでだよ〜」と払川に転身。しかし、今度は先行者が・・・。「まあ、釣り下ればダイジだ〜」と入渓すると下流に向かった跡が・・・。じゃあ、どうすっかと考えていると下から釣り人が上がってきた。「あっ、どうぞ上に行ってください」と言うと、「いやいや、どうぞ入ってくださいよ」と言われ、私たちは釣り上がることにした。

 ここは、先程の米山川に比べると水も綺麗で、渓相もなかなか良いではないの。こりゃ、釣れるかなと思いきや全然アタリ無し。中村氏が「釣れないから譲ってくれたんだよ。釣れる渓だったら譲ってくれないよ、普通」 ごもっとも。蜘蛛はいないが岩魚もいない渓だった。

払川を釣る中村氏 どんよりとした梅雨空から日の光が差し込んだ

 時間はまだ10時位。ここで飯を食べて、もっと別の地区に行こうと移動を開始する。しかし、この辺りは渓が細すぎる。どこを見ても釣れそうもなく途中で昼寝。

 しかし、昼寝から起きても渓が太くなる訳でもなく、とうとう小千谷まで来てしまいR17に出てしまった。このままじゃ帰れないと和田川に狙いを付けて車を走らせる。

 やっと和田川に辿り着いたのだが、渓を見ると水が汚い・・・。やはり渓流釣りは水の綺麗なところでやりたいものだ。しかい、時間もないしここで釣るしかないのである。上流は田んぼの中の里川、下流はゴルジュという所で、私たちは下流を釣ることにして渓に下りた。

 下りた所は2段の落ち込みの後、大きな滝となっている。上からでは滝を降りられるかは判らないが、取り敢えず落ち込みに竿を出す。が、何度かアタリはあるもののハリにはかからない。中村氏が見切りを付け滝の上に様子を見に行くとOKのサイン。二人は滑りそうな斜面を慎重に下り滝下に降り立った。「う〜ん、なかなか見事な滝じゃないの。釜も深そうだし」と二人で竿を出す。中村氏はアタリはあるのだが釣れない様子。私は滝の右岸に回り竿を出した。何度か流していると目印がかすかに動いた。すかさずアワセをくれるが奴は滝に向かって猛然とダッシュしていく。なんとか竿を立てようとするが歯が立たない。力を込めて竿を立て、こちらを振り向かせようとしたとき、フワフワと目印が宙を舞った・・・。「しまった、0.2号だったんだ」今回は長い仕掛けは要らないだろうと思い、用意していなかったのである。あったのは0.2の6m通しが1本だけ。しかたなくそれを使ったのが裏目に出てしまった。最近太糸ばかりだったせいもあり、強引にやりすぎてしまった。「まあ、太糸だったら食わなかったかもしれないしね」と気を取り直しハリを結び直してもう一投。底の流れに乗 った仕掛けがゆっくりと駆け上がりに近づいたところで、再びアタリが出た。今度こそと慎重に操作する。が、さっきのに比べるとあきらかに小さい。こいつも滝に向かってダッシュするが、今度は引きずり出すことに成功。タモに納まったのは久々のヤマメだった。さっきのより小さいとは言っても28cmあった。十分良型だ。ということはさっきのは尺ヤマメ・・・。残念!

滝壺を探る 久々の28cmヤマメ

 それ以上は粘っても無駄だったので、二人で支流との出会いを目指して釣り下る。渓相は非常に良い。しかし、釣れないまま支流との出会いに着いてしまう。支流に入るとすぐに好ポイントがあり、中村氏に待望の岩魚が来た。「おっ、結構デカイじゃん」と私がタモ取りして、早速計測する。が、どう計っても29cm・・・。「泣き尺だ〜」。でも、やっと釣れて中村氏も「これで帰れるよ」と笑顔が戻った。
泣き尺!29cm岩魚

 そこからは直ぐに「通らず」になってしまい、時間も遅くなってきたので渓を後にした。


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