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 岐阜県 馬瀬川

  1999.2.13〜14
   瀬谷、田辺、高野

   天候:晴れ
   気温:−5度
   水温:3度


Text :高野 智 

 やっと待ちに待った渓流釣りに行ける。釣りの前は仕事が手につかないのは毎度のことだが、今回は初釣行ということもあり、より一層仕事どころではない。

1日目

 出発時間の午後9時頃に瀬谷氏が田辺氏を拾って家に来てくれた。さあ、行こうかというところで田辺氏が「やばい、餌忘れた」と取りに帰ることに。私が瀬谷氏に「ウェーダーはネオプレーンのを買ったの?」と聞くと高くて買わなかったとのこと。それを聞いていた田辺氏「やばっ、ウェーダーも忘れた」。おいおい大丈夫か〜? シーズン中は毎週のように行ってるくせに・・・。忘れ物を積んだ私たちは首都高から中央自動車道を使い馬瀬川を目指す。瀬谷氏は会社から田辺氏の家に直行だそうで、田辺氏のところで着替えたらしく、晩飯もまだだという。どっかコンビニでオニギリでも買えばと言ったのだが、お菓子があるから大丈夫だと言っている。瀬谷さん、大食いなんだから無理しなくていいのに・・・。

 途中、チェーン規制渋滞に巻き込まれながらも、午前4時過ぎに馬瀬川に到着。13日に成魚放流が行われるという情報を聞いていたので、放流ポイントの橋の下で釣ることにして車を止める。すでに1台車が止まっていた。去年来ているので判っていたが、めちゃめちゃ寒い。夜明け前は気温−7度である。おまけに風もあり、厳しい釣りになりそうな予感が。月明かりで見る馬瀬川は、かなりの減水のようで去年より水が少なかった。

 夜が明ける頃には車も数台増えたが、去年に比べると全然少ない。やはり今年の馬瀬川は釣れないというのは本当なのだろうか。

 まだ雪のある川原におりた私たちは仕掛けをつなぎ準備を始めた。ところが私が仕掛けを付けようとしたら絡まってしまい、出だしから嫌な予感が。寒くて手が動かないので新しい仕掛けにして第一投。が、アタリ無し。何度やってもアタリ無し。魚はいるはずなのにどうなってんの。そのうち田辺氏が3尾立て続けに上げた。おっ、やっと活性が上がってきたかと思いきや、他の人にはアタリがこない。さすが釣りキチ田辺氏である。こんな状況でも手を変え品を変え食わせている。私もいろいろ試すが無駄な抵抗・・・。餌が豊富にあるとは思えない時期なんだから食ってくれよ、頼むから。瀬谷氏のような大食いのアマゴはいないんかい、まったく・・・。

 こうなったら成魚放流を待つしかないな〜。まったく情けないことである。対岸の崖の上に上がってみると、いるはいるは、アマゴが群れている。でも全然釣れないんだな〜、これが。いったい、どういうこと?。

 そのうち瀬谷氏も釣り上げた。仲間で釣れないのは私だけ。早く放流に来てくれ〜、そうすればきっと爆釣だぜ。と思っていたら、やっと来ました漁協の軽トラ。私には神様に見えたのは言うまでもない。放流はバケツに4杯程。放流されたとたん、眼下に見える魚影が数倍に膨らんだ。「よっしゃ、やっと春がきたぜ。」と餌を振り込む。いきなりアタリが来たのだがアワセ切れ。ついつい力が入ってしまった。ハリを結び直してもう一回、今度こそと思ったのだが、それっきりアタリが無くなった。もう最悪である。

 そのうち、対岸に若い奴が現れた。普段着で長靴すら履いていない。だが、そんな奴にも釣れてしまった・・・。彼は嬉しくて大騒ぎである。おいおい、奴に釣れて、何年もやってる俺には来ないのかよ。そりゃないだろ〜、この世には神も仏もないのかよと、普段、神も仏も頭の片隅にもない人間のくせに勝手なことを考える。きっと彼は敬虔なクリスチャンか仏教徒に違いない。

 もう崖上は諦めて、仲間のもとに戻ることにした。戻った目の前で瀬谷氏にもう1尾。彼は3尾目、田辺氏は7尾程釣っている。それに引き換え私はゼロ。6時間もやってゼロ・・・、情けないことである。そろそろ昼なので腹も減ってきた。田辺氏が「じゃあ、あと30分やってあがりましょう。」と情けを掛けてくれた。よしっ、と気合を入れ直しブドウ虫を振り込んだ。すると、待望のアタリが。早アワセではバラすと思い、少し送り込みアワセた。忘れ掛けていた竿に伝わる魚の動き。やっと、やっとアマゴが釣れた。もちろん鰭の丸い成魚放流ものだが、私には宝石のように見えたのは言うまでもない。続けてもう1尾と粘ったが駄目だった。

 午後は上流で天然物だ〜と、飯を食べてから昼寝をする私たちであった。

 さて、昼寝から目覚めた私たちは、去年天然物も混じった上流の淵に立っていた。しかし、そこには去年の深かった淵はなかった。細かい砂で埋まった魚の気配のない流れがあるにすぎなかった。その後、釣り上がって何ヶ所か淵を狙ったが誰の竿にもアタリはなかった。


2日目

 今日は5時起きして釣るぞ〜と目ざましをセットしていたのだが、結局誰も布団から出ようとせず、8時を過ぎてしまった。しかたがないので朝飯の後のんびりと宿を出て、白川にでも行くかと車を走らせる。情報によると白川のほうは結構釣れているらしい。川沿いには釣り人が沢山いる。適当な所で車を止め、竿を出した。しかし、魚の気配はない。釣れるとはいっても放流ポイントだけのようだ。この水温では去年から残っているアマゴも動かないだろう。下流で釣っていた田辺氏が上がって来た。「下で魚が見えたから、おっ、いるじゃん、と思ってみたら群れになってるんだよ。ハヤだなありゃ。」というので、見に行ってみる。確かに群れになっている。何にも釣れないから暇な私は、川虫を付けて群れの前に流してみた。すると、ククッというアタリが。上がってきたのは、やはりハヤだった。型は7寸位でいいんだけどパーマークのない魚じゃ、しょうがないね〜。

 結局、白川ではハヤ以外は釣れず、長い帰路についた。まあ1尾釣れたからよしとしよう。1とゼロとじゃ大違いだもんね。と自分を納得させるしかないなんて・・・。地元の釣り師も片手位しか釣れなかったし、今年の馬瀬川は駄目だという噂は本当だった。きっと、水位が上がってタイミングのいいときに入る人は200や300釣るのは簡単だと思う。魚はウジャウジャ残ってますよ〜。これを見ているアナタ、狙ってみてはいかがですか。

 ほんとはこんな釣行記載せたくなかったんだけど、同じ思いをする人を一人でも救えればと思い、あえて恥をさらしたんですよ。(ホントかよ。)水が替わるまで我慢ですよ、皆さん。それにしても放流魚すら釣れないなんて、やっぱり私は下手だった・・・。


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