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 栃木県 渡良瀬川

  1998.08.01(土)
   中村、高野

    天候  :曇り
Text  :高野 智 

 用事をかたづけてから携帯のディスプレイをみると「チャクシンアリ」の文字が。こりゃ、もしかしたら釣りの誘いかと中村氏の携帯に電話する。しかし、留守伝につながってしまい連絡が取れないので一度は諦めたのだが、すぐに中村氏から電話があった。
「今、どこにいるの。」と私。
「久喜の手前くらいかな。」
「じゃあ、俺も行くから引き返してきてよ。」
と途中まで行っているにもかかわらず、無理を言って拾いに来てもらう。いや〜、高速に乗る前でよかった。乗ってたらさすがに引き返してはもらえないからね。

 中村氏が来る間に準備を整える。午後からの気楽な釣りなので魚籠もタモ網も持たずに軽装備でいいや〜。気負わないほうが釣れるし。今から行けば2時間位で着くだろうから2時間は釣れるだろう。明日は田辺氏と久しぶりの海釣りに行くので今日はゆっくり休みたかったのだが、渓流釣りの誘いとあらば行かずにはいられない。

 高速も割と空いていて良いペースで走れる。が、油断をしていたら後ろに白黒の車が・・・。危なく寄付をしなくてはならないとこだった。中村氏いわく
「気配がしたからスピードを落とした」
とのこと。いや〜、危ない、危ない。

 日光の辺りは雨が降っていて釣れそうな感じだったのだが、日足トンネルを抜けると曇ってはいるが雨が降った形跡はない。渡良瀬源流も水が少ない。これは厳しいぞと思いながら良さそうな支流を探して走り続ける。しばらくして割と水量の多めな支流を発見。「ここにするか〜。」と車を止めて様子を見る。すると上流から一人釣り人が帰ってきた。
「どうでしたか〜。」
「だめだね〜、先に2人入っているからね〜。」
とその人に言われてしまい、ちょっとガッカリ。しかたがないから本流出会いから釣ることにした。しかし、直ぐに堰堤があるのでそこまでしか釣れない。まあ時間も無いし堰堤までで日も暮れるだろうと渓へおりた。

 本流の方は水量も少なく釣れそうもないので支流を釣りあがる。D社の朝霧6.6mにブドウ虫を付け、ちょっとした落ち込みに投入する。放流しているので魚影は濃くすぐにアタリが出た。しかし、スレているのか掛からない。なるべく姿勢を低くして気配を消して釣る。何回か魚に遊ばれた後に6寸程の太った山女魚が来た。ここじゃ、これぐらいが出れば良いほうだろうとキープさせてもらった。中村氏はドバミミズをエサにしているので端ばかり食われてしまい、鉤に掛かってくれないようだ。でも、大物を狙っているのでドバ一筋だ。しかし、なんとか釣れたのは大物とは呼べない10cmの岩魚。よく9号の鉤に掛かったもんだ、よっぽど腹が減ってたんだな。その後私が6寸山女魚を1尾追加し堰堤の下に着いた。堰堤下は1段目が堰のようになっていて、そこの下にも居そうである。私は大岩に身を隠して仕掛けを左の白泡からの流れだしに投入した。仕掛けが流れだすと直ぐにアタリが出た。すかさずアワセをくれると先程のよりも手応えがある。7寸位はあるかなと岸まで引いて取り込んだ。計ってみると8寸もあった。体の割に頭がデカイので沢の山女魚だろうか。それにしても思わぬ良型だった。

 中村氏は堰堤下のプールに本流竿で挑戦。しかし8mの本流竿でも堰堤下の白泡までは到底届かない。かなり水深もあり近づくことは無理である。手前側でもアタリは出るが鉤がかりしないで終わってしまった。

 たまには気楽な釣りもいいもんだ。釣りなんて本来はそういうものなんだろうが、遠くの源流まで行くと、「せっかく来たのだから、どうしても釣らないと」と思ってしまう。これって良くないことだな〜と判ってはいるんだけど。

 ここのプールには大物が入っていそうだ。尺は固いだろうなどと次回に淡い期待をして渓を後にする2人だった。


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