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キノコ採り

新潟県

2007.11.10-11





Text & Photo  : 高野 智

毎年恒例の新潟でのキノコ採りの季節がやってきた。今年も蒼丘の杜キャンプ場の2階建てコテージを使うつもりだったが、すでに予約が入っているようで、初めて平屋を使うことになった。もっとも2階建てを押さえていたのはネコちゃんクラブの金子さんらで知合いだった。そこに新潟の山田さんも来るというので夜には会えるだろう。

今年の参加者は過去最高の24人の大所帯。大人14人、子供10人、さらに日帰り参加も3名と賑やかなキノコ採りになりそうだ。

【晩秋の山へ】
10日の土曜日、イマイチの天気予報に空模様を心配しながらの出発となったが、越後川口ICを降りるころには雨も上がり、午前中は曇り空。雨こそ降っていないものの11月も中旬となると新潟の山は寒かった。
今回は栃木組、東京組、埼玉組と他に静岡からは八木さんも新幹線で駆けつけてくれた。

半年ぶり(前回は山菜)に訪れた山は所々紅葉し、林道沿いにはススキの穂が光っている。春の芽吹きの季節は瑞々しい新緑に命の躍動を感じさせるが、晩秋は静けさが山全体を包み込み、哀愁を感じさせる。
車から降りると冷たい風が頬を撫でていった。

山に来ると子供のようにワクワクする。早速、準備して二手に分かれて入山。奥山組は大人のみで頑張って採ってもらい、近場組は子供中心に楽しんでもらう。
私は子供3人を連れてきてるので当然近場組。たまには奥に入って思う存分採ってみたいが、子供にこういう体験をさせるのはあと10年もないだろうから、ここは我慢我慢。
山田さんが下見してくれたのだが、残念なことにいつもの木は採られてしまっているらしい。なので反対の山へ子供たちを連れて歩き出した。

【キノコを探して】
遊歩道のようになっている道へと足を踏み入れると、落ち葉の絨毯が歓迎してくれた。子供たちの歓声とともにカサカサと鳴る道を奥へと進む。
道の脇にでも出ていてくれれば楽なのだが、さすがにそれはないだろう。今回最年少は渓道楽会長のナベちゃんの娘。まだ3歳前である。そんな小さな子でも、おぼつかない足取りで頑張って歩いている。
道の脇には残念ながら無かったので、荻野さんが斜面を下降。なんとかクリタケを見つけてくれた。子供たちを連れて木に掴まりながらゆっくりと降りていくと、朽ちた木の根元にクリタケが群生していた。

クリタケを収穫する前に子供たちを並べて記念撮影し、その後に子供だけに採らせる。大人は手出ししないでアドバイスするだけ。自然の中で思う存分遊ぶ、こういう体験が今の子供には欠けている。しかし、それは子供に問題があるのではなく、大人側に問題があるのだ。都会には思い切り体を使って遊ぶ公園や広場も無く、物騒な世の中は外で遊ぶことすら自由にはできない。学校が終われば塾や習い事でゆっくりする間もない今の子供たちはかわいそうだ。
少しでも自然の中で遊んで学べる機会を作ってやるのが大人の役割だろう。

いよいよ入山
落ち葉を踏みしめキノコを探す
そう簡単には見つからない
木に掴まり、籔をかきわけキノコを探す
























  クリタケあったぞ〜!






















残念! ちょっと場クサレ気味  

【物足りないぞ】
さて、クリタケを採り終えて道まで上がる。念のため周りも探してみるが、場クサレたクリタケがあるだけで何も出てなかった。
時間はまだ10時、これで終わりじゃ物足りない。奥山組もまだまだ戻らないだろうからとナベちゃんと荻野さんがいつもの場所を偵察に行く。
しばらくすると荻野さんが戻ってきて「あるにはあるんだけど、小さいんだよね、ナメコ。それと結構降りるから小さい子じゃ無理かも」と言う。それじゃあってんで大人数名と荻野さんの息子だけで現場に向かった。
籔を掻き分けて降りていくと立ち枯れにナメコが沢山出ている。高いところにあるので特製鎌でそぎ落とした。あったのはスーパーで売っているくらいのサイズで、いつものように傘の開いた立派なナメコには早かったようだ。

その後、いつも採っている木に一人で向かうと、上のほうに沢山出ている。でも鎌を持ってないのでどうしようと悩んでいると、上手い具合にモミジの木が寄り添うように生えていた。そこによじ登り収穫。味噌汁数回分のナメコが採れた。

籔をこいで林道へと這い上がり、晩秋の山々の写真を撮りながらゆっくりと戻る。いつのまにか空は晴れわたり、日差しに紅葉が輝いている。しかし以前見た紅葉に比べて色がくすんでいる。今年の猛暑とあまり寒くない秋が影響しているのだろうか。
それでも風が吹くと黄色い落ち葉がヒラヒラと舞い、もうすぐ冬が訪れることを教えてくれる。

車に戻ると奥山組も帰っていた。去年に比べて全然少なかったらしくぼやいていたが顔は笑っている。
キノコや山菜は自然相手だけあって行く時期が難しい。1週間早くても、1週間遅くてもダメ。ドンピシャリのタイミングで行くのは地元の人で無いと無理だろう。それでも欲張らなければ自分たちが食べる分くらいは採ることが出来る。仲間と山を楽しめればそれでいい。

その後、スーパーで晩の食材を買出ししたのだが、立派なヒラタケが300円くらいで売っていて、まっちゃんは迷うことなく買っていた。農業をやってる方がよく言うことだが、作るより買うほうがよっぽど安いとはこのことか。

さて、温泉も入ってキノコの下ごしらえも終わり(みんなやってもらってしまった。ありがとうございます。)、あとは飲んで喰って騒ぐだけ。キノコを採るのが名目だけれど、楽しみはそれだけじゃない。皆で集まって遊ぶのが楽しみなのだ。だから毎年遠くまで出かけていくのである。

























  子供組の見つけた唯一のヒラタケ
美味そう〜























  ようやく本命のナメコを見つけた

















丁寧に採ることが後の処理を楽にする  
この時点では正体不明のキノコ
落ち葉からたくさん顔を出していた
オオイチョウダケに似ているが時期が違うと酒田さん
山田さんに鑑定してもらってハイイロシメジと判明した














  ハイイロシメジ
  調べると食用可と不可に分かれていた
  実際に食べている人もいるし、中毒を起こしている人もいる
  良く火を通せば大丈夫なようだが、
  子供も一緒だし危険は避けたほうがいいだろう

  ちなみに茹でこぼすときに、ものすごい匂いがするらしい
全員で記念撮影
皆さんお疲れさまでした
今回はあまり採れなかったけど、懲りずにまた遊びましょう

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