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キノコ採り

新潟県

2005.11.18-19













Text & Photo  : 高野 智

 今年も残り僅かとなって、山で遊ぶ行事も今回のキノコ採りで最後となりそうだ。ここ数年、毎年のように新潟にキノコ採りに出かけているが、今年はいつもよりも遅めとなった。全国的に寒くなるのが遅かったからか、キノコの出も遅れているようである。
 キノコ採りは渓流釣りのように夜中に出発する必要はないのだが、それでも現地に早めに着いてゆっくり採りたいものである。だが、あいにく午前中は仕事。同じく午前中は用事があると言う斉田会員と2時過ぎに埼玉を出発した。
 普段はこの時間帯に走ることは無いために知らなかったのだが、土曜日の午後の関越道は空いていて走りやすかった。しかし、どうやっても現地までは3時間は掛かるので、日が短くなったこの時期では着くころには真っ暗であった。当然、土曜日のキノコ採りは無理で、仲間が沢山採ってくれているのを祈るばかり。

 いつもの「蒼丘の森公園キャンプ場」(旧キャンパス川口)のコテージに入る前に、すぐ近くにある温泉に立ち寄り汗を流す。ここは大人600円で利用可能で、建物も新しく湯船も広いのでお勧めである。

 ひとっ風呂浴びてコテージに行くと、すでに採ったキノコの処理も終わっていて、すぐに宴会スタート。久しぶりに会う顔もあって、話も弾む。宴会料理は当然のキノコ汁に、採れたキノコを入れたスキヤキ。お米は魚沼産コシヒカリとなれば家でもお目に掛かれない豪華さ。他にもヒラタケのバター炒めやナメコのおろしあえ、からしあえ等々、美味い物ばかりであった。途中で同じキャンプ場に来ていた全日本暇人協会の沖田会長らも乱入し、楽しいコテージの夜は更けていった。

あっという間に肉が無くなった
大人たちの食欲も凄かった!


 翌日、朝早くに息子の翔平に叩き起こされる。子供らはホントに早起きだが、オジサンたちは飲みすぎで充血した目をこすりながら、のそのそと起き上がる。朝飯を食べたら急いで片付けキノコの山へと向かった。

 落ち葉の降り積もった林道を進み、広場でエンジンを切ると辺りは静寂に包まれる・・・といいたいところだが、チビたちは元気いっぱいで賑やかだ。我々一行は子連れ組と奥まで組に分かれた。今回は幼児が4人も集まってるので、行動範囲が制限されてしまう。できるだけ危険が無くてキノコの沢山採れるところってことで、昨年も入った場所へと向かった。キノコは奥まで組が採ってきてくれるだろう。

 崩れて車両通行止めになった林道をのんびり行く。道の両脇にはススキが生い茂り、山の木々は美しく色づいていて、都会から来た人間を優しく包んでくれる。写真を撮るために何度も立ち止まるが、子供らの歩みはゆっくりなのでちょうど良い。天気予報は午後から雨だったが、幸い今のところは青空が広がって、寒くも無く、とても気持ちの良い気候であった。

 林道のデコボコで足を取られて転び、泣いたりする子供もいたが、適当なところでヤブを掻き分けて林の中へと分け入った。すぐに先頭を歩く者が「あったよー」と声を上げる。駆けつけて写真に収め子供たちに収穫させた。他にももう2本立派なナメコがついた木を見つけたが、あとはヒラタケが少しあっただけで、去年に比べると量としては寂しい感じがした。心残りなのは巨大なヒラタケがあったのだが、あまりに高いところで手も足も出なかったこと。下から見ても大きかったのだから、実際15cmくらいはあるのだろう。残念である。

 さて、それでもそこそこ楽しんだ我々は車へと戻った。奥まで組はまだ戻っていないようなので、子供を見ていてもらい別の山へと入ってみる。しかし、そこはキノコの欠片もなく早々に退散し、何本かまばらに生えているモミジを写真に収めたり、傍らにある池の写真を撮って時間をつぶしていると、やがて奥まで組が戻ってきた。ザックが重くなって、もういらないってほど採れたようで、おすそ分けをいただいた。

 私にとっては短い時間であったが、翔平らチビたちはとても楽しかったらしく、普段経験したことも無い山での遊びに目を輝かせていた。歩くのに疲れたり、ヤブこぎで嫌な思いをして、「もう来ない」と言うのではと心配だったのだが、「また来たい」と言ってくれたのでホっとしている。これでまた子供をダシにして山遊びができそうであると、山好き親父は思うのであった。

腰に大きな籠をぶら下げて林道を行く
初めてのキノコ採り、彼らの心にあるのは期待だろうか、不安だろうか

 
被写体を探しながら行くと、素晴らしい風景に巡り合った
決して雄大でもなんでもないが、ススキの生い茂る斜面に彩づいた木々、そして素晴らしい青空、日本人の心に響くものを感じた

 
崩れた林道を行く翔平
アスファルトの道路を見慣れた目には新鮮に映ることだろう

 
秋の日差しを受けて煌くススキの穂
ふわりと広がって、晩秋を感じさせる

 
秋の里山
遠くの山には先日降った雪が見える
もうしばらくすればこの辺りも雪に閉ざされる

 
びっしりと付いたナメコ
味噌汁や和え物にちょうどよい大きさだ
 
こちらは大きく育ったナメコ
 

 
向かいの山にはキノコは無かったが、見事に色付いたモミジがあった
様々なアングルでシャッターを切りまくるが、ものにできたのは数枚
まあいつもそんなものである
 
この辺りにはいくつかの池が点在する
これから長い年月を掛けて乾いていき、湿原の地糖のようになっていくのだろうか

 
水面に写りこんだ紅葉が美しい
 
こちらは黄色く色付いたモミジ
赤いモミジとともに心を癒してくれる存在だ

 

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