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水トレ

群馬県 庚申川

2006.07.30

中尾さん(講師)、荒川さん、千葉さん、荻野さん、清水さん
渓道楽(田辺、横倉、松井、高野)


Text & Photo  : 高野 智

 群馬県の庚申川で水トレを行ってきました。今まで岩トレやザイル講習は経験がありましたが、水トレは初めてです。水に関するトレーニングはいつも実地でした。そもそも私たちのスタイルは「のんびり、まったり」が基本で、水線通しで突破できない深い淵やゴルジュといった難所は、ほとんど「高巻き」でやりすごすのが常套手段です。しかし、山釣りをやっていれば、いつなんどき危機が訪れるやも知れず、そのときになって慌てても遅いので、ある程度の経験は積んでおく必要があるでしょう。そういった安全面への配慮から、今回の水トレに参加しようと思った次第です。

 前日夜から鹿沼の中尾さんのお店「麺坊」に集まり、久しぶりに会う人もいて談笑は深夜3時に及びました。

 朝起きると久しぶりの快晴で、素晴らしい青空が広がっています。これならズブ濡れになっても大丈夫かもしれません。2台の車に分乗して庚申川を目指して出発です。

 かじか荘の裏手の駐車場に車を止めて、庚申川の下降点まで1時間弱の歩きです。下降点からは急な斜面に付けられた踏み跡をたどり、庚申川の河原に降り立ちます。そこからは出来るだけ水線通しで、それもより難しいほうを選んで行きます。
 では、これ以降の様子は写真でご覧下さい。

庚申川に降り立ち、準備をするメンバーたち
遡行を始めてすぐ、いきなりの泳ぎ。対岸はラクラクコースなのだが、今回はそちらを通っては意味が無い。
クソ暑いときならば、こんな泳ぎも爽快なのだが、渓の底には陽も差さず、おまけにここ庚申川の水はメチャメチャ冷たい。
「ヒャー、冷てぇ〜」という声が渓に響く。水から上がったあとは体の震えが止まらない。
初めの泳ぎをクリアして次に向かうメンバーたち。
ビーチマットを持っているのは中尾さんの知り合いの松岡さん。下のキャンプ場に泊まっていたようで、一緒に行くことになった。
最初、ビーチマットは冗談かと思ったが、淵で流された人の補助をするために使うようで、これに乗ってプカプカ浮きながら楽しんでいた。
松岡さんは沢のスペシャリストで、心強い助っ人だ。
進むにつれて次々と難所が出てくる。沢登りの人気コースというのも頷ける。
目の前に現れた本日のハイライト「鉱夫の滝」(別名 光風の滝)
左岸を泳いでいって取り付き、落水の中のルートを登るらしい。
普段ならこんなデカイ釜を持った滝を登ろうなどという考えは、頭の隅でも考えない。

我々のレベルでは登れるなんてとても思えないのだが・・・。
滝に取り付くための斬り込み隊が出発。
中尾さんの話だと滝の手前の壁には手がかりが全く無く、なおかつ流れも強いので
最後に誰かに背中を押してもらわないと取り付けないそうで、そのためのプッシュ要員として、元水泳部の横倉会員が選ばれた。
岩壁沿いを行く2人。
岩を伝わりながら行くが、もちろん足など着くわけもなく、ずっと泳ぎである。

滝から吐き出される水流は重く、泳ぎの得意な2人でもなかなか先に進めない。
ジリジリと滝までの距離を縮めていく2人だが、まだまだ届かない。
泳ぎ始めて10分は経っている。よくこの冷たい水に10分も浸かっていられるものだ。私なんて1分も無理である。
鉱夫の滝下流部の眺め
ザイルを送る松井会員と斬り込み隊の2人を心配そうに眺めるメンバー
中尾さんと横倉会員の泳力でも、残念ながらどうやっても取り付くことができなかった。
仕方なく右岸を高巻くことになり、カラビナバッチマンの練習のためにザイルをセットする。
登っていく仲間を見上げる千葉さんと清水さん
ゆっくりと登るナベちゃん(田辺副会長)
このぐらいの斜度だとカラビナバッチマンは必要ないのだが、何事も練習。
滑ったときの滑落防止のほかにも、スタンスもホールドも厳しい場面などの登りにもカラビナバッチマンは有効である。
思いのほか遡行に時間が掛かってしまい、もう4時になってしまった。
おまけに雨も降り出し、渓は暗くなってきた。
林道に出るための支沢を目指し、歩みを速めた。
帰り道の林道で大きなタマゴタケを見つけて喜ぶ、まっちゃん


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